投資先事例:タニタヘルスリンク

丹羽隆史 代表取締役社長

公開日:2019.12.12

健康づくりに向けて行動変容を促し、高齢化社会の課題解決を目指す

タニタヘルスリンクは、企業の従業員や自治体の住民などを対象に健康づくりを支援する「タニタ健康プログラム」というサービスを提供している企業です。少子高齢化により日本の医療費の総額は年間1兆円のペースで増え続けており、このままでは社会保障制度を維持することが困難になりかねません。そこで、同社はタニタ健康プログラムの提供を通じて人々の健康づくりを支援し、生涯現役社会の実現を目指しています。同社の今後の事業展開や目指す姿について、丹羽隆史代表取締役社長にお話を伺いました。

「モノ」づくりのタニタ、「コト」づくりのタニタヘルスリンク

タニタヘルスリンクの生みの親であるタニタは、体重計や体脂肪計など「健康をはかる」商品の製造・販売を行う専業メーカーです。タニタが日本初の家庭用体重計を発売した1959年当時は、便利で高性能であるというだけで商品が売れていた時代です。しかし時代の流れとともに、それだけでは商品が売れなくなり、その商品があることで「生活がどう豊かになるのか」というストーリーが求められるようになりました。

そこで「モノ」づくりのタニタと、「コト」づくりの弊社という両輪でビジネスを展開することで、人々の健康づくりを総合的にサポートできるだろうという思いから、2007年にタニタヘルスリンクが設立されました。

健康づくりのためのアクションを後押し

現在の日本は高齢化が進行した結果、65歳以上の割合はすでに人口の30%に達し、今後は40%前後で高止まりすると考えられています。しかし、仮に85歳以上を高齢者と定義すると、高齢者の人口に占める割合は社会保障制度を構築した時代と同程度となり、将来にわたって社会保障制度を維持することが可能になります。そのためには、85歳まで現役で働き続けられるように健康を維持する必要があり、健康維持のための社会的・経済的インフラを整えることが求められます。

健康づくりにおける第一歩は自分自身を知ることであり、その上で健康維持・増進のためのアクションを起こすことが大切です。それを後押しするのが、タニタヘルスリンクが企業や自治体向けに提供する「タニタ健康プログラム」です。このプログラムは、IoT対応のタニタの体組成計・活動量計・血圧計を使った計測と、管理栄養士や健康運動指導士といった専門職によるヒューマンサービスとを組み合わせた医療費適正化パッケージです。
このプログラムでは、健康づくりへの無関心層も含め、地域や社員全体を健康へと導くための「楽しみながら」健康づくりに取り組めるメニューを多数ラインアップしています。例えば、歩数ランキングやウオーキングラリーのほか、商業施設で利用可能な商品券などに交換できるポイントプログラムなど、さまざまな角度から行動変容を促し、健康づくりをサポートしています。

現在、このプログラムは全国の企業や自治体など150件以上に提供しています。利用企業の多くは、昨今注目を集めている「健康経営」の実現に向けて取り組んでおり、一方、自治体では、住民の健康増進による医療費や介護費の適正化を目標に据えています。さらに近年、自治体の金融機関や市民・事業者からの資金に基づき運営するSIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)の手法を取り入れ、アカデミアなどと連携して事業の成果を評価し、成果連動型でサービスを提供する取り組みも始めています。

(タニタ健康プログラム イメージ概要図)

日本をもっと健康にするため、INCJを含めた連携体制を構築

タニタヘルスリンクは「日本をもっと健康に!」を掲げ、事業活動を行っています。しかし、さまざまな利用者のあらゆる健康ニーズに対応するためには多くのリソースが必要になります。そこで私たちの思いに賛同していただいた、幅広い分野の企業や団体、アカデミアなど、そしてINCJとともに連携体制を構築しました。ここに参画していただいた事業パートナーとともに、個々人に寄り添った健康サービスを提供するプラットフォームの構築を進めています。

INCJの投資担当チームからは全面的にサポートを受けています。例えば、「タニタ健康プログラム」をINCJ社内で実践し、サービス改善に向けた積極的なアドバイスをいただいています。また、INCJの投資先企業で、当社の事業と親和性が高い企業の紹介を数多く受けており、いくつかの企業とはすでに協業に向けた話し合いを進めています。

<INCJ投資担当者からのコメント>
高齢化が進む日本において、健康寿命の延伸は非常に重要です。その社会的課題に取り組むタニタヘルスリンクへの投資は大きな意義があると考えています。また現在、タニタヘルスリンクが中心となり、さまざまな企業や医療法人、大学などと連携して構築を進めているオープンプラットフォームにも大いに期待していますし、実現できるものと考えています。(コメント終わり)

幅広い分野の事業パートナーと連携して、健康づくりのオープンプラットフォームを展開

現在開発を進めている健康づくりに向けたオープンプラットフォームは、さまざまな分野の事業パートナーと連携して健康促進、健康寿命延伸の実現に有効な情報を蓄積し、これまでにない「健康を自分で守り、自分で生かす」ためのサービスを提供することを目的としています。そして、社会実装の第一弾として、2019年11月から岡山市において、地域住民の同意を得ながら、診療報酬明細書のデータに基づいて将来の疾病リスクの算出と行動変容に向けた取り組みを行っています。

タニタヘルスリンクは、今後も事業パートナーとの連携を深めながら、オープンプラットフォームを通じて、「日本をもっと健康に!」を実現してまいります。

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