マテリアル・コンセプト

小池美穂 代表取締役社長 小池淳一 取締役(最高技術責任者)・東北大学教授

公開日:2018.09.18

世界で初めて「銅ペースト」の実用化に成功した東北大学発ベンチャー

電子機器の配線材料である銅ペーストの開発を手掛ける、東北大学発ベンチャー企業のマテリアル・コンセプト。従来の銀ペーストよりも低コストで同等の導電性を持つ焼結型銅ペーストの実用化に世界で初めて成功しました。同社が事業化したきっかけは東北大学教授である小池淳一取締役の東日本大震災からの復興に対する強い想いでした。2018年6月にはJX金属株式会社からの資金調達を受け、同年8月には、優れた大学発ベンチャー企業を表彰する「大学発ベンチャー表彰2018」の文部科学大臣賞を受賞しています。これから量産に向けてより一層事業を加速させる、同社の小池美穂社長と小池淳一取締役にお話を伺いました。

東北の地に活気ある産業を生み出したい

小池淳一取締役(以下、小池取締役):起業を決意したのは、震災が契機となりました。東日本大震災で、想像を絶する光景を目の当たりにし、今までの研究や生き方すべてに無力感を抱きました。そんな時に、東北楽天ゴールデンイーグルスで当時ルーキーだった田中将大選手の活躍に歓喜する地元の人たちの姿を見て、同じ東北人として大きな感銘を受けました。この経験から、自分にできることを精一杯取り組むことが、東北への貢献に繋がるのではないかと考えました。それは自分自身にとって全力で研究に集中することだ、という決意に至りました。

震災復興や地域再建、再生可能エネルギーの普及を喫緊の課題として、太陽電池の配線を従来の銀材料から銅材料に転換する研究を開始しました。希少材料である銀に比べ、銅は低コストであり、さらに銅をペースト状にすることで生産効率の良いスクリーン印刷が利用できます。性能はそのままに材料の低コスト化や製造プロセスの簡略化を実現でき、太陽電池の普及、さらには一般の電子機器にも活用できる材料の開発を目指しました。

小池美穂社長(以下、小池社長):東北の地で事業を開始したのは、活気ある産業と雇用を復活させることが目的でした。現在、東北に縁故のあるメンバーが当社に参画しており、すでに新しい産業や雇用の創出が実現しています。また、材料の研究開発に強い東北大学発ベンチャーとして、大学との産学連携を進める企業としても先駆者であり続けたいと考えています。

産業革新機構とともに目指す夢

小池社長:事業を開始したころ、政府の産業創出プロジェクト関係のご紹介で産業革新機構を知り、そこから投資担当者と打合せを繰り返すようになりました。長時間をかけて熱心に事業計画などを検討していただき、さらに、事業に変化が生じる際のリスクアセスメントなど俯瞰的なアドバイスも多くいただきました。当時、私たちは、できるだけ長いスパンで支援いただける投資家を探していたので、産業革新機構とは画期的な新技術の事業化を目指すという将来の夢を共有しながら長期的な連携が可能と確信しました。

JX金属とのオープンイノベーションで次のステージへ

小池社長:約1年半前から、当社が事業会社と組んで事業を加速する段階にあるとの認識が強まりました。大企業と協業することによって、我々の課題である販路の確保や営業の知見を深めることができると考えたのです。複数の企業のオファーの中から、最終的にJX金属から出資いただくことに決めました。JX金属は銅を中心とした資源開発から、金属製錬そして、電材加工、環境リサイクルまで一貫した事業を展開しており、銅の可能性や革新性への想いを共有できたのが大きな理由です。同社は2018年6月にマテリアル・コンセプトに資本参加しました。

その後、JX金属は2018年9月に東北大学との組織的連携協定の締結による同大学への研究棟の寄付、さらに同大学教授でもある小池取締役の研究講座を設けるなど、当社を介して大学と大企業が連携を深めています。結果的に大学発ベンチャー企業と大学、そして大企業の三者間による新たな連携の形を創出することができました。

新しい材料の研究に挑戦し続け、進化する社会に貢献

小池取締役:世の中のさまざまな課題が壁にぶつかった時の突破口になるものが、「材料」だと思っています。今は銅を中心にした金属材料を扱っていますが、将来はセラミックや有機材料にまで研究範囲を広げて、IoTなどですべてがつながる社会に向けて、新しい材料を生み出し続ける研究センターをつくっていきたいと思っています。常に新しいことに挑戦し続ける、イノベーティブな会社でありたいと考えています。

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