2014.01.14
リファインバース株式会社:
タイルカーペットの循環型リサイクルモデルを実現したリファインバース株式会社への出資を決定
株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 能見公一)は、オフィスビルの施工現場や中間処理事業者から排出される使用済みタイルカーペットの塩化ビニル樹脂の再資源化に取り組んでいるリファインバース株式会社(以下「リファインバース」)(本社:東京都中央区、代表取締役社長 越智晶)に対し、事業展開加速に必要な資金として5億円を上限とする出資を行うことを決定しました。
使用済みタイルカーペットは、塩化ビニル樹脂によるバッキング層とナイロン樹脂などの繊維で構成されるパイル層、繊維部分を保持する基布層の3層で構成される複雑な構造であり、これまではリサイクルは技術的に困難であるとされてきました。また、塩化ビニル樹脂は焼却によって有害なダイオキシンが発生することもあり、リサイクルは商業的にも成り立たず、ほぼ全量が埋立てによって廃棄されていました。
リファインバースは、これらの課題を解決するため、使用済みタイルカーペットのバッキング層のみを精密に削り取り、微細粉の形で分離回収する新技術を開発しました。さらに、タイルカーペットメーカーとの業務提携により、分離回収した樹脂をタイルカーペットのバッキング層として再利用する、塩化ビニル樹脂の循環型リサイクルモデルの商業化に成功しました。
国内のタイルカーペット市場の成長は頭打ちとなる一方で、リファインバースが供給するリサイクル素材を用いたタイルカーペットは、エコマーク認定商品として年々市場が拡大しています。また、海外では新興国を中心にタイルカーペット市場は順調な成長を続けており、リサイクル素材に対する潜在需要は非常に大きいと考えられます。
INCJは、リファインバースに対し、生産拠点の拡大、ナイロン樹脂のリサイクル技術の開発、将来の海外展開準備に必要な資金を供給するとともに、社外取締役の派遣、事業開発体制の強化等の経営サポートを行います。INCJは上記の取り組みを通じて、同社が、新たな循環型バリューチェーンを創出し、グローバルに展開できる「新しい素材産業」のモデルとなるよう支援してまいります。