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2013.09.02

ユニゼオ株式会社:
革新的ゼオライト合成技術の事業化を行うユニゼオ株式会社への投資を決定

 株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 能見公一)は、触媒、吸着剤などとして広範なプロセスで活用できるゼオライトの革新的な合成技術を開発するユニゼオ株式会社(以下「ユニゼオ」)(本社:東京都文京区、代表取締役社長 山崎康夫)に対し、合成技術の確立と今後の生産技術の開発に必要な資金として6億円を上限とする投資を行うことを決定しました。

 ゼオライトは、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムを主成分とする鉱物で、結晶構造の違いによってさまざまな種類が知られています。結晶構造中に多くの細孔があり、その直径は1ナノメートル(1mmの100万分の1)以下で、化学物質を分子レベルでふるい分けたり、その細孔内に取り込んだりする特徴を持ちます。また、固体にもかかわらず塩酸や硫酸のような酸の性質を持ちます。こうした特性を活かし、ゼオライトは自動車排ガス処理や石油化学品合成などにおいて触媒、吸着剤などとして広く応用されています。しかし、従来の合成法では高コスト等の課題があり、実用化できるゼオライトの種類は限られ、各用途において必ずしも最適なゼオライトを使うことが出来ていませんでした。

 この課題を解決するため、ゼオライト研究で世界的に著名な東京大学大学院の大久保達也教授、板橋慶治博士等と日本化学工業株式会社は、共同研究により、従来の合成法で必要とされた有機物の鋳型(構造規定剤:SDA)を使わず、安価で、広範な組成で、高品質のゼオライトを合成する「SDAフリーゼオライト合成技術」を開発しました。この成果を事業化するため、日本化学工業株式会社において開発責任者であった山崎氏が独立し、日本化学工業株式会社の知的財産等を譲り受けることでユニゼオを起業しました。

 ユニゼオは、SDAフリーゼオライト合成技術の研究開発に特化し、生産技術は大手素材メーカーと共同開発、量産段階では生産委託することで、ファブレスでのSDAフリーゼオライト合成技術の事業化を目指しています。各用途で最適なゼオライトを用いることで、様々なプロセスにおけるグリーンイノベーション※が期待されます。

※ 世界的な課題である環境問題に対して、社会の持続的な発展のために科学技術や社会システムを変革・展開すること。ここではエネルギー利用の革新、社会インフラのグリーン化。

 INCJは、ユニゼオに対して、今後の合成技術の確立と今後の生産技術の開発に必要な資金を供給するとともに、社外取締役の派遣、事業開発体制の強化、戦略的提携先の開拓支援等の経営サポートを行います。これを通じて、INCJは、ユニゼオが、大企業のスケールアップ支援を得ながら、直面する「量産の壁」を乗り越え、アカデミアで精緻に研究されたユニークなプラットフォーム技術を事業化する素材ベンチャー企業のモデルとなるよう支援してまいります。

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