2013.08.26
株式会社メガカリオン:
日本が世界をリードするiPS細胞分野において血小板製剤の事業化を目指すバイオベンチャー(株)メガカリオンへの出資を決定
株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:能見公一)は、iPS細胞から血小板をつくる技術を臨床応用し、献血に依存しない血小板製剤を臨床現場に供給することを目的とする株式会社メガカリオン(以下「メガカリオン」)の第三者割当増資を引受け、今後の大量生産技術の開発、医薬品開発の初期段階に必要な資金として10億円の投資を行うことを決定しました。
また、メガカリオンは、SMBCベンチャーキャピタル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:勝川 恒平)、みずほキャピタル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川端 雅一)、三菱UFJキャピタル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:安藤 啓)の運用するファンドに対しても第三者割当増資を行う予定です。
血小板製剤は抗がん剤治療による血小板減少症や出血性疾患に用いられ、基本的な医療手段の一つとして用いられているものの、国内ではその原料を献血に頼っていること、その保存期限が4日程度と短いことより、医療における重要性にも関わらず慢性的に不足状態であり、2027年には約100万人献血者延べ人数が不足すると予測されています。一方、一部先進国や医療途上国に於いては売血が認められていることもあり、血小板製剤の投与を受けた患者における細菌やウイルスの二次感染リスクを排除出来ておりません。これらの現実を踏まえ、メガカリオンは計画的安定供給が可能で、病原汚染等の危険性を排した、医療コストの低い、iPS細胞由来の血小板製剤を献血不足に直面する医療先進国や献血システムが不十分な医療途上国に提供することを目指します。
メガカリオンは主要経営メンバーである代表取締役・創業者の三輪玄二郎氏、大手製薬企業出身の取締役COOの赤松健一氏をはじめ、メガカリオン科学諮問委員である京都大学・山中伸弥教授の率いるiPS 細胞研究所の江藤浩之教授(同、科学諮問委員)、東京大学医科学研究所の中内啓光教授(同、科学諮問委員)が加わり、医薬品開発の豊富な経験とiPS細胞研究の世界レベルの研究体制を持ち合わせております。既に東京大学、京都大学との共同研究で、実験室スケールで製造されるヒトiPS細胞由来血小板を実験動物に投与し、その安全性、有効性を確認する前臨床試験を実施しております。
オープンイノベーションを通した医薬品の創出を目指すINCJは、メガカリオンに対して、リードインベスターとして必要資金を提供するとともに、社外取締役の派遣、サイエンスアドバイザーによる助言や業務体制の構築等の経営サポートを行います。
本投資は、我が国の産・学・官が密接に連携し日本が世界のトップを走っているiPS細胞の研究・開発の具現化を目指すものです。更に、INCJは、日本のバイオベンチャーに対する資金供給の呼び水としての資金提供にとどまらず、本投資を通じてiPS細胞の実用化を促進する事業環境の整備など日本のライフサイエンス産業の活性化に貢献します。