2013.08.07
アジアンベイシス株式会社:
株式会社紀伊國屋書店とともにASEAN EC事業を本格展開する新会社への出資を決定
株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(東京都千代田区、代表取締役社長能見公一)は、株式会社紀伊國屋書店(以下「紀伊國屋書店」)(東京都新宿区 代表取締役社長 高井昌史)とともに、アジアンベイシス株式会社(以下「新会社」)の第三者割当増資を引き受け、ASEANにおけるEC事業展開に必要な成長資金、として総額20億円を上限とする投資を行うことを決定しました。
新会社は、既に紀伊國屋書店および情報通信ソフトウェア開発事業者の株式会社インフォシティ(以下「インフォシティ」)(東京都渋谷区、代表取締役 岩浪剛太)によって設立されております。
主要先進諸国においては書籍販売業界の電子化が急速に発展し、既存の書店、新聞社、雑誌社等の事業転換が進んでおります。一方、経済成長著しいASEAN諸国においては、未だEC・電子書籍市場の黎明期であるものの、将来、同様のトレンドとなることが想定されます。今後、成長が予測されるASEAN諸国においてリーディングプレーヤーになるためには、早期に盤石なEC事業体制を固める必要があります。
紀伊國屋は、1969年以降海外に25店舗(うちASEAN諸国18店舗)の書店事業を展開しており、現地における知名度、シェアともに高い地位を有しております。さらに、1996年にはいち早くインターネット書店「BookWeb」、2010年には電子書籍配信事業「Kinoppy」を開設、シンガポールなど海外6か国でも展開するなど、早くからオムニチャネル事業を展開しております。
* オムニチャネル:O2O(Online to Offline)の概念を超えて、実店舗やWeb サイト、ソーシャルメディアなど、あらゆる販売チャネルを統合して、顧客が望む形で購買体験を提供する戦略。
このたび設立された新会社は、紀伊國屋が創業以来培ってきた経営資源と経験知を活用し、ASEANにおいてEC事業を本格展開します。更に、紀伊國屋とともに「Kinoppy」を開発したインフォシティの協力を仰ぎながら、電子書籍配信事業も展開してまいります。
新会社は、紀伊國屋のリアル店舗を活用しつつ、ASEAN全域へEC事業を展開する過程で、日本および現地の様々な事業者の参画を得て、取扱商品および対象地域の拡大を予定しています。
INCJは、新会社に対してオムニチャネル事業の最適化のためのシステム開発資金、マーケティング資金、地域展開資金を提供します。新会社については、INCJ の資本参加を通じた中立性を活かし、幅広い日本国内の企業による参画が期待されます。同時に、INCJ が持つ信用力を背景に、海外の現地企業との提携を円滑に進めることが可能となり、順次サービス対象地域を広げることができると考えております。
INCJは、新会社の事業は、日本の中堅中小企業、ベンチャー企業の海外でのビジネスチャンスの拡大に寄与すると考えており、こうしたAll JapanによるASEAN展開のサポートを行ってまいります。