QPS研究所

大西俊輔 代表取締役社長

公開日:2017.12.05

世界をリードする衛星技術で、地元九州に宇宙産業を育てる

2017年11月6日QPS研究所の資金調達に関する知事表敬・記者会見

従来の観測衛星では考えられなかった、驚くほど軽量で高性能かつ低コストのレーダー(SAR)衛星技術で、九州から世界の衛星開発に革命を起こそうとしているQPS研究所。彼らは、若手リーダーと70歳を超えるベテラン科学者からなる異色の研究開発ベンチャーです。今回は研究所の若きリーダー大西代表取締役社長にお話を伺いました。

地元九州で宇宙産業を育てたい

わたしは子供のころから宇宙に強い関心がありました。大学に進学し、九州大学大学院工学部航空宇宙工学の研究室で人工衛星の研究をしていました。そこで出会ったのが、QPS研究所創立者の一人であり九州大学の名誉教授でもあった八坂哲雄さんです。彼の教えを受けるなかで、九州で宇宙をやるならQPS研究所しかないと考え、QPS研究所の創業者達に直談判をし、入社しました。社長の引き継ぎを条件に入社が認められ、予定通り、ほぼ半年で社長に就任させていただきました。

「地元九州に、宇宙産業を根付かせたい。」

それはわたしとQPS研究所の創業者たちの共通の思いであり、わたしがQPS研究所に入社して、代表を引き継ぐことを決意した大きな理由のひとつでした。九州には、宇宙の分野において、世界で活躍できる高い技術力をもった人がたくさんいますが、多くの方々が、名古屋や東京に出て行ってしまいます。わたしたちの人工衛星技術で、この九州の地に残りたいと思う、宇宙に関わる方々が根付く産業を育てたかったのです。

市來敏光取締役COO(左)大西俊輔代表取締役社長(右)

ベストタイミングでの出資決定

しかし、わたしが代表に就任した当初は資金繰りが厳しく、企業や大学から日々の糧として製造請負や業務委託を受けていました。こうした事業が順調で、売上も確保できていました。ただ、順調だからこそ、そこから脱却することが難しくなってしまった気がしていました。このままでは、日々の請負業務に追われ、わたしたちが目標としている九州地域での宇宙産業育成が実現できない。そんな危機感を抱く中で小型レーダー衛星を開発する着想を得、本格的に前に進めていく中で産業革新機構からの出資が決まったのです。

今回、産業革新機構をはじめとする合計9社から調達した23.5億円の資金は、地球観測用小型レーダー衛星の開発と打ち上げ費用に充当します。夜間や悪天候時に観測ができない光学衛星に対し、レーダー衛星は昼夜・天候に関係なく観測でき、またマイクロ波の解析により対象物の識別や特定など詳細情報を取得することができるため、防災、防衛、環境調査など様々な分野での活用が期待されています。ところが、従来のレーダー衛星は、重量と高コストが課題でした。今回、わたしたちが打ち上げようとしている小型レーダー衛星は、従来とは文字通り桁違いな軽量化とコストダウンを実現するものです。この取組みが、世界の宇宙産業に与える影響は計り知れません。アメリカやヨーロッパでも国を挙げて開発を進めていますが、わたしたちは独自の技術によって一歩リードしている自信があります。その一歩を抜かれないためには開発を加速する必要があり、巨額の資金が必要になります。よってこのタイミングで出資を得られたことは、非常にいいタイミングでした。

産業革新機構はさまざまな企業や政府とのネットワークを有しています。宇宙産業は軍事技術にも通じるので、大変センシティブな面もあります。このような視点から特に官庁との関係性は重要です。産業革新機構には資金面だけでなく、彼らが有する官庁や企業とのネットワークを活用した支援にも大きく期待しています。

「いつでもすぐに地球観測ができる」社会インフラの構築

福岡県庁での記者会見にて。産業革新機構代表取締役会長 志賀俊之(左三番目)福岡県知事 小川洋氏(中央)大西俊輔氏(右三番目)

今回の資金を使って小型レーダー衛星を開発した暁に見えてくるのは、小型レーダー衛星を搭載した複数の衛星の打ち上げです。将来的には、36機の衛星の打ち上げを予定しており、これが実現すれば、平均10分間隔で地表の最新映像が見えるようになります。さらに、人や車、船といった移動体の動きを把握できるようになるとともに、店舗のカメラやビッグデータと組み合わせて、セキュリティシステムなどを町全体に拡大する、その街の未来の経済状況を予測するなどの新しい未来の実現も可能になってくると考えております。こうした新しい可能性は、多くの日本企業のエキスパートを巻き込んでいかないと実現できません。また、衛星から取得したデータを使いやすくするためには、様々な企業と協業する必要が出てきます。

「いつでもすぐに地球観測ができる」先進的な社会インフラの構築を目指して、産業革新機構とともに推進していきたいと思います。

地球観測用小型レーダー衛星

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