Cloudian Holdings Inc.

クラウディアン株式会社 太田洋 代表取締役CEO 本橋信也 取締役COO

公開日:2018.07.02

AI連携とスピードを武器に、オブジェクトストレージの世界No.1を狙う

IoTやAIを活用したビジネスを可能にするITインフラ製品を提供する企業、Cloudian(クラウディアン)。オブジェクトストレージ製品に加え、着手からわずか1年半という短期間でリアルタイムなAI処理を可能にする小型装置を開発し、製造業の業務改善からマーケティングツールとしての利用まで幅広い業界から注目を集めています。グローバルに成功を収めている日本発IT企業であるクラウディアンのCEOとCOOの二人にお話を伺いました。

小型AI装置が実現する、高速情報処理

本橋:わたしたちの主力製品である「HYPERSTORE」は、ソフトウェアによるストレージ製品です。分かりやすく言えば、クラウドを動かすためのソフトを開発しています。ソフトウェアでの販売に加え、ハードウェアに組み込んだ製品も提供しています。おもにIoTやAIのデータや画像・映像といったビッグデータ向けオブジェクトストレージで、年々増大するビッグデータ活用の社会的ニーズに対応しています。

本橋信也取締役COO(左)太田洋代表取締役CEO(右)

一方、これから弊社の武器になるのが、「AI BOX」です。開発のきっかけは、走行しているクルマの車種を見分けるという実証実験でした。様々な事業での展開が見込まれるため大変注目を集めた実験でしたが、情報を現場でリアルタイムに処理する方法が課題となりました。そこで開発したのがAI BOXです。GPUと呼ばれるAIを高速処理できるコンピュータと有線・無線通信機能、インターフェースをすべて組み込んだ小型装置です。これにカメラを接続するだけで、現場でリアルタイムに物体をAIで識別し、データセンター側に結果だけを転送できます。通信回線の遅延やクラウド、データセンター側の処理の影響を受けずに、エッジ(=端)、つまりより物体に近い位置で情報処理が可能になる、“エッジコンピューティング”が実現できます。

AI BOXで“エッジコンピューティング”を可能に。ⓒCloudian

メールのビッグデータ化をビジネスチャンスに

太田:2001年頃、わたしは携帯通信事業会社で働いていました。そこでいわゆる“写メール”の開発などを担当していました。当時はモバイルインターネットと呼ばれた携帯電話によるネット接続が広がりつつある最中。写メールのシステムは非常に大きな通信量を必要とし、利用が集中する時間帯にはよくシステムが不安定になりました。そんな時期に、現在弊社の本社となる米国シリコンバレーのCloudian Holdings IncにいるCEOのMichael Tsoに出会ったのです。彼と大容量通信処理の課題について意気投合し、すぐに事業を立ち上げました。

しかし、「いざ株式公開」という段階でリーマンショックに遭い、会社が危機的な状況に陥ったのです。ちょうど同時期、世の中ではスマートフォンが台頭し始め、メールもマルチデバイス上からアクセスする時代が到来しました。これにより大量のデータをサーバーに残しておくニーズが出てきて、メールでさえビッグデータ化する世界がやってきたのです。わたしたちはこの流れを見て早々に汎用ストレージ製品の事業を展開しました。それが、今の事業につながっています。

日本の顧客に鍛えられた製品で海外に進出

本橋:当初、わたしたちは日本の顧客向けに製品を開発していました。しかし、事業拡大のためには国内だけでは市場が小さいという課題があり、また、エンタープライズ分野に進出する計画もあったので、産業革新機構からの出資を受けて海外へ進出しました。海外は日本に比べて扱うデータのサイズが大きいため、ビジネス規模も連動して大きくなります。市場の拡大も加わり、われわれの事業は多くの需要を生み出しました。成功の要因は、営業やマーケティングにおいて現地のストレージ業界のプロフェッショナルに全てを任せ、日本で鍛えた製品を完全に欧米流で展開したことが大きいです。

太田:製品が鍛えられたのは、日本の顧客が品質に非常にこだわるからです。品質改善に向けた問題解決能力に優れる特性や、ノンストップで365日24時間連続稼動するシステムを作るための信頼性や安定性、品質の技術は、日本ならではのものです。さらに、製品購入後のサポートも日本流の細やかな対応を行いました。その結果、今でも世界中の顧客から高い評価をいただいています。

パートナーシップとスピードでグローバル市場を席巻する

本橋:産業革新機構に投資を依頼した理由は、わたしたちの事業が5~10年という脚の長いビジネスだからです。産業革新機構は一般的なベンチャーキャピタルと異なり長期的な投資を主眼に置き、バリューアップ支援も充実しています。さらに、わたしたちのインフラ向け製品では、様々な分野で活用できる製品展開が欠かせません。つまり他社とのパートナーシップは大変重要で、そうしたところも産業革新機構のサポートに助けられています。

太田:今後は、自他ともに認めるオブジェクトストレージ分野の世界ナンバーワンを目指し、積極的な事業展開を考えています。カギになるのがAIとの連携です。われわれはAIを開発する会社ではなく”AIのインフラ製品”を提供する会社なので、AIビジネスを展開している他社との関係をうまく構築しながら多様な業界に浸透していきたいと考えています。そして、わたしたちの強みはなによりスピードです。ディープラーニングが台頭し始めてからおよそ1年半でAI BOXを開発しました。このスピードをもって世界を席巻していきたいと思います。

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