2017.01.06
スペクトロニクス株式会社:
スペクトロニクス株式会社への追加投資について
株式会社産業革新機構(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝又幹英、以下「INCJ」)は、レーザー光学応用機器の開発・製造・販売を行うスペクトロニクス株式会社(本社:大阪府茨木市、代表取締役社長:岡田穣治、以下「スペクトロニクス」)に対し、同社の新たな事業展開を推進するための資金として、2.5億円を上限とする追加投資を行うことを決定しました。
今回の投資には、既存株主である大和企業投資株式会社や三菱UFJキャピタル株式会社に加え、イノベーティブ・ベンチャー投資事業有限責任組合*1、株式会社ケイエスピーや京銀輝く未来応援ファンド投資事業有限責任組合*2も新たに出資いたしました。
*1NECグループ、SMBCグループおよび中小企業基盤整備機構が出資し、NECキャピタルソリューションとSMBCベンチャーキャピタルが運用するファンド
*2株式会社京都銀行グループが設立したファンド
スペクトロニクスは、2004年に設立された微細加工用の短パルスレーザー発振器を開発するベンチャー企業です。電子機器の高機能化、小型化、省電力化に加え、ガラス、ガラス繊維、炭素繊維など高硬度材、難加工材の需要増など、従来の機械加工では難しい微細加工が求められています。スペクトロニクスの微細加工用レーザー発振器は、短波長と短パルスをその特徴としており、短波長ほど小さく集光できるため、加工できる最小寸法がより小さくなります。また短パルスであるほど、熱が材料に伝わりにくいので、材料をほとんど劣化させずに加工(非熱的加工)することができ、加工面がきれいに仕上がります。
INCJは、2015年2月にスペクトロニクスへの出資を決定し、その後、同社は既存製品の品質向上、自社製品ラインアップの拡充を図るとともに、大口顧客の獲得など国内顧客基盤の構築や装置メーカーとの連携に取り組むことで、事業を順調に発展させてきました。特に、同社の世界最高出力深紫外(266nm)ピコ秒パルスレーザー発振器は、平成27年度新機械振興賞「機械振興協会会長賞」や第8回レーザー学会産業賞「奨励賞」を受賞するなど、世界をリードする同社の高度な技術力は広く評価されています。
今回の追加投資は、これまでの事業基盤の構築の段階から、さらに事業を大きく成長させる段階に移行するため、既存製品の継続的な改良・高度化、生産管理体制の強化、国内販売網・国内メンテナンス体制の拡充・強化などのための資金に供されます。
INCJは、スペクトロニクスに対し、成長資金を提供するとともに、社外取締役を派遣するなど、研究開発の促進、国内販売基盤の強化、将来の海外展開など、経営面でのサポートを行います。また、上記の取り組みを通じて、グローバルレベルでの競争力を持つ日本のベンチャー企業を育成することで、業界全体の活性化や新たなビジネス創出に貢献することを期待しています。