NEWS ROOM

2016.01.19

株式会社F.TRON:
近未来のサイバー空間に必要なセキュリティ技術の開発と提供を行う株式会社F.TRONへの出資を決定

株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝又幹英)は、近未来のサイバー空間に必要なセキュリティ技術の開発と提供を行う株式会社F.TRON(以下「F.TRON」)(本社:東京都千代田区、代表取締役:杉中順子)の第三者割当増資を引き受け、同社の今後の成長資金として9億円を上限とする出資を行うことを決定しました。
また、F.TRONは日本ATM株式会社に対しても第三者割当増資を実施しております。

現在、既知の不正プログラムの総数は2億件に達し、毎日20万件ものペースで増え続けていると言われています。既存のアンチウィルスソフト製品は、既知の不正プログラムを指名手配犯の写真のようにパターンファイルと呼ばれるデータとして保持し、そのパターンファイルと起動するプログラムを照合することにより、不正プログラムを判断するパターンマッチングの手法に頼っているため、未知の脅威に対処することができません。日々数十万件というレベルで不正プログラムが新たに製造されている昨今では、いずれ、パターンファイルの更新が追いつかない状況となることが予想されます。
そのような状況の中、パターンマッチングに代わる手法が種々開発されていますが、それら手法はパターンマッチングをベースとした技術であり、根本的な問題とされる未知の脅威を追いかける後追い対策から脱却できていないのが現実です。また、特定の組織のセキュリティ対策を熟知して行われる「標的型攻撃」と呼ばれる攻撃に対しては、未知のプログラムへの対策に至らぬパターンマッチング技術では検知することが不可能となります。これらの未知のプログラムによる攻撃に対して完全かつリアルタイムな保護を提供できる技術はありません。
また、IoT、ビッグデータ、人工知能等の活用による産業のデジタル化により、サイバーセキュリティ対策の重要性がますます高まっております。

F.TRONは1990年代後半より独自に抜本的なサイバーセキュリティ対策の研究開発に取り組み、その研究開発の成果を商用化すべく2008年に設立されました。2015年から、世界初のCPU管理技術により、これまでのコンピュータに存在しなかったセキュリティ視点の新たな制御層をOSの起動前に構築・提供することにより、PC端末の全機能を掌握し、第三者による処理の実行を100%許さない新しいタイプのサイバーセキュリティ対策製品「INTΦ(イントゼロ)」、PC端末における全ての動作を監視し、その動作ログを取得、解析することによってサイバー攻撃の攻撃元を特定可能とする製品「Full Pursuit(フルパースト)」の外部販売を開始しました。
さらに、PC端末以外のデバイス、組み込みソフトウェアへの展開等を視野に入れた開発も進めるとともに、企業向けの研修などの人材教育にも注力しております。
既にF.TRONの技術は、多くの金融機関、製造業、流通業等への提供が進みつつあり、様々な事業会社との業務提携も進んでおります。

INCJは、F.TRONに対して今後の事業開発に必要な資金を提供するとともに、社外取締役の派遣等を通じ経営面でのサポートを行います。本投資を通じて、INCJはF.TRONの製品開発を促進し、ひいては我が国における新たな産業の創出、製造業や金融業などの付加価値向上の基盤を整備し、我が国経済社会の健全かつ持続的な成長の促進に努めてまいります。

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