2016.01.04
ユニバーサルマテリアルズインキュベーター株式会社:
素材・化学産業における新事業創出プラットフォームの確立を目指すベンチャーキャピタル ユニバーサルマテリアルズインキュベーターの設立及び当該会社が運用するファンドへの戦略的LP投資について
株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝又幹英)は、素材・化学産業における新事業創出プラットフォームの確立を目指すベンチャーキャピタルであるユニバーサルマテリアルズインキュベーター株式会社(以下「UMI」)(本社:東京都千代田区、代表取締役:月丘誠一)の設立に伴い、2,000万円を上限とする出資を行いました。また、UMIが組成・運営するUMI1号投資事業有限責任組合(以下、「UMI1号ファンド」)に対して、60億円を上限とする戦略的LP投資を行うことを決定しました。なお、UMI1号ファンドは、旭硝子株式会社、宇部興産株式会社、積水化学工業株式会社、デクセリアルズ株式会社、DIC株式会社、株式会社日本触媒(以上、会社名五十音順)からもLP出資を受け入れるほか、その他の日本の大手素材・化学企業からもLP出資を受け入れる予定です。
日本の素材・化学産業は産業全体の約1割を占める大型産業であり、多くの日本発の素材技術のイノベーションが他の産業の発展を支えてきました。特に昨今のエレクトロニクス産業・自動車産業の隆盛に伴い、グローバル市場における日本の素材・化学産業の地位は大きく向上しました。一方、成長に伴い多くの素材・化学企業が偏った収益構造となり、新たな事業の創出と収益構造の転換を迫られています。しかし、他の産業に比べて足の長い研究開発期間とこれらを支える資金、そして専門的知識を有する人材が不足しているため、将来有望な大企業、アカデミア、ベンチャーの萌芽期の技術・事業の多くが最適なパートナーとマッチングされることなく埋もれてしまっている現状があります。
こうした課題を踏まえ、UMI1号ファンドは素材・化学産業の大企業やベンチャー、アカデミアが保有する優れた技術や事業に着目し、これらの受け皿となり積極的な事業化の支援を行う新事業創出プラットフォームの確立を目指します。テーマの発掘にはINCJと協力関係にある素材・化学分野に強いアカデミアを中心に、大企業やベンチャー企業との幅広いネットワークを活用するほか、INCJが相互協力の覚書を締結している国立研究開発法人物質・材料研究機構や、同様にINCJと相互協力協定を締結している国立研究開発法人科学技術振興機構、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、さらに素材・化学分野に強い大学などの各アカデミア関連機関とも連携していきます。また、新事業を担う人材の育成を通じて、日本の技術力の強化と、世界に通用する産業構造の創出に貢献するベンチャーキャピタルファンドとなることを目指します。そのために、広く素材・化学産業各社による出資を募り、専門的な知見を有する投資チームを組成することで、特に素材・化学産業の事業化において課題となる製品開発から生産技術開発のステージに特化したハンズオン支援を実施します。
INCJは、UMIに対して出資を行うとともに、独立性と中立性を確保した運営の下で社外取締役の派遣を通じたサポートを行います。またUMI1号ファンドへの戦略的LP 投資を通じ、素材・化学産業における新事業創出の促進に加え、リードインベスターとしての役割を発揮し、充分なリスクマネー供給と適切な事業推進支援を担うことのできるベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタリストのより一層の創出を目指します。さらには、日本の素材・化学産業の成長を支える技術の源泉である大企業やアカデミア、ベンチャー発シーズの継続的なインキュベーションやイノベーションの基盤を、再現性と循環性のある形で厚く豊かにすることを目指します。