2015.08.05
株式会社スマートドライブ:
テレマティクス情報活用プラットフォームの事業化に取り組む株式会社スマートドライブへの出資を決定
株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝又幹英)は、テレマティクス*情報の解析やそれに付随するサービス構築を主軸にビジネスを展開する株式会社スマートドライブ(以下「スマートドライブ」)(本社:東京都渋谷区、代表取締役:北川烈)に対し、今後の事業推進に必要な資金として6.6億円を上限とする出資を行うことを決定しました。
またスマートドライブに対しては、アクサ損害保険株式会社(以下「アクサダイレクト」)も出資を決定しています。
*テレマティクスとは、テレコミュニケーションとインフォマティクスから作られた造語で、移動体に携帯電話などの移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称をいい、一般的には、自動車、輸送車両などへのサービス提供に対して使用されているものです。
近年、ドライバーの運転特性に応じて保険料が割引されるテレマティクス保険や運転履歴を中古車販売に活用するサービスなど、膨大かつ多様なテレマティクス情報を活用した様々なサービスが欧米を中心に普及しており、日本国内においても自動車関連の新サービスの創出や既存サービスの高度化・効率化が期待されています。
現在、こうしたテレマティクス情報を活用したサービスの多くは、サービス事業者自らが情報収集端末の配布からデータ蓄積・活用まで垂直展開しており、サービス開発にかかるコスト負担が重く、また、データ分析・活用ノウハウ蓄積のハードルも高いのが現状です。
スマートドライブは、車社会をビッグデータで変革すべく2013年に設立されたベンチャー企業です。スマートドライブは、OBD-Ⅱ*から運転情報をリアルタイムに取得し、テレマティクス保険、車両動態管理、自動車ディーラーのCRMツールなど、様々なサービス展開を可能にする業界・サービス横断的なテレマティクス情報プラットフォームの構築を目指しています。自動車関連のサービス事業者は、スマートドライブのプラットフォームを活用することにより、低コストかつ柔軟・スピーディーにサービスを展開することが可能となります。
またスマートドライブは、総務省がベンチャー企業による新事業の創出を支援する2014年度I-Challenge!(ICTイノベーション創出チャレンジプログラム)の第1号案件として採択され、「自動車のOBD-Ⅱとスマートフォンの連携を用いたテレマティクスデータ活用技術」事業に取り組んでいます。
*OBD-Ⅱ(On-Board Diagnostics, Second Generation)とは、自動車に搭載された世界標準規格の自動車整備用ポートであり、当ポートからは、車速、エンジン回転数、走行距離など、約150種の運転関連情報を取得することができます。
既にスマートドライブは、アクサダイレクトと新商品・新サービスの開発及び提供を目的とした業務提携に係る基本合意書を締結しています。また、テレマティクスサービス向けの車載機器を含むサービスプラットフォームにはインテルのプロセッサー及びテクノロジを採用する計画を発表しています。今後、国内外の大手企業との連携によるグローバルなサービス提供を通じて、テレマティクスサービスの分野において強固なポジションを築き上げることを目指します。
INCJはスマートドライブに対して成長資金を提供すると共に、社外取締役を派遣し、事業の更なる拡大、海外展開支援などの経営サポートを行います。INCJは本投資を通じ、渋滞緩和や事故予防といった社会レベルでの課題解決に活用可能なテレマティクス情報のオープンプラットフォームの実現に貢献するとともに、新たなサービス創出の基盤になることを期待しています。