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2015.03.09

スペクトロニクス株式会社:
高性能レーザー発振器と加工プロセス開発技術により最適な加工ソリューションを提供するスペクトロニクス株式会社への出資を決定

 株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:能見公一)は、レーザー/光学応用機器の開発・製造販売を行うスペクトロニクス株式会社(以下「スペクトロニクス」)(本社:大阪府茨木市、代表取締役:岡田穣治)に対し、今後の事業推進に必要な資金として5億円を上限とする出資を行うことを決定しました。
 またスペクトロニクスに対しては、大和企業投資株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川﨑憲一)、三菱UFJキャピタル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:安藤啓)、池田泉州キャピタル株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役:神保敏明)それぞれが運用するファンドも出資を決定しています。

 近年、スマートフォンやタブレットなどに代表されるように電子機器の小型化・高機能化・省電力化が進む中で、ものづくりにおいてはより微細な材料加工が求められています。この微細加工において、非接触の加工方法として、短パルスレーザーの応用が注目を集めています。短パルスレーザーとは、レーザーをパルス状に発振することにより、材料を溶かすことなく(非熱加工)、光(レーザー)によって対象物を直接分解することができる技術で、高品質な加工を実現できます。また、波長が短いほどより小さく集光できるようになるため、微細加工に適しています。
 現在主流である欧米製短パルスレーザーは、高品質な加工を実現できるものの、生産ラインで使用するためには加工速度が遅く、また部品劣化に伴う交換が頻繁に発生するため、運用コストやメンテナンスコストが高くなるという課題がありました。

 スペクトロニクスは2004年に設立された、微細加工用の短パルスレーザー発振器を開発するベンチャー企業です。スペクトロニクスが開発したハイブリッド型ピコ秒パルスレーザー*は、欧米製レーザーとほぼ同等の加工品質を維持しつつ、加工速度を材料によっては2~25倍高速化できることが最大の特徴となっており、製造現場の生産能力を大幅に向上させることができます。また、劣化の少ない汎用部品で製品を構成できるため、競争力の高い製品価格を実現できるとともに、消耗品も格段に減少するため大幅にランニングコストを低減することができます。さらに、オンサイトでのメンテナンスや現場での消耗品の交換ができることから、顧客の製造プロセスの稼働率を上げ、大幅に生産性を向上させることができます。
 なお、スペクトロニクスのハイブリット型ピコ秒パルスレーザーは、独立行政法人新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択され、さらなる研究開発を進めています。
*ピコ秒は1兆分の1秒

 INCJはスペクトロニクスに対して成長資金を提供するとともに、社外取締役を派遣し、事業の更なる拡大、研究開発の促進、および海外展開を支援などの経営サポートを行います。INCJは上記の取り組みを通じ、レーザー発振器業界においてグローバルに競争力のある日本企業を育成し、日本のものづくりの復権と業界全体の活性化に貢献するとともに、本投資が新たなビジネスの創出および日本企業の更なる競争力強化となることを期待しています。

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