2014.09.03
WHILL Inc.:
次世代パーソナルモビリティの開発・販売を行うWHILL Inc.への出資を決定
株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:能見公一)は、次世代パーソナルモビリティの開発・販売を手掛けるWHILL Inc.(以下「WHILL」)(本社:米国カリフォルニア州サンカルロス市、CEO:杉江理)の第三者割当増資を引き受け、今後の量産開発や販売活動などの事業推進に必要な資金として9百万USドルを上限とする出資を行うことを決定しました。
またWHILLに対しては、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:榮藤稔)、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:安達俊久)、三菱UFJキャピタル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:安藤啓)、東京センチュリーリース株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:浅田俊一)、YJキャピタル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:小澤隆生)のほか、米国のシードアクセラレーターである500Startupsなども共同出資を行います。
電動車いすの主力市場は、世界市場の約60%を占める米国市場です。米国市場では“クールさ”を求める”アクティブ”な先進的ユーザー層が顕在化しつつあり、今後大きなトレンドとなる可能性を秘めています。また、日本市場は世界市場の約3%と現在は小さい市場ですが、今後の高齢化進展に伴い潜在ニーズが高まっています。
WHILLは日産、ソニー、オリンパスなどの大手企業出身のデザイナーとエンジニアが設立した米国シリコンバレーに本社を置くベンチャー企業です。電動車いすの世界に「デザイン性」と「新機軸の機能性」を統合した新しい製品カテゴリーを創出しようとしています。WHILLの製品は、オムニホイール(前後左右に進むことが可能な特殊なタイヤ)を用いることにより走行安定性・小回りに優れ、またスマートフォンでの操作性カスタマイズやナビゲーション機能提供を実現することで、高齢者や障がいをお持ちの方に、今までにない快適でスマートな移動手段を提供できます。
さらにWHILLは、日本国内の多くのものづくり中小企業の協力を受けて製品試作・開発を進めると共に、販売面では日本の大手企業と協力しながら事業展開を進めていきます。
WHILLは、今回の資金調達を通じて、日本と米国のお客様に商品をお届けするための生産体制と販売・保守体制を構築するとともに、主力市場である米国でのFDA(Food and Drug Administration、アメリカ食品医薬品局:米国で医療機器を販売する際に必要な安全性の承認機関)承認取得を目指します。さらにWHILLは、次世代パーソナルモビリティを普及させるために、公共施設、空港、住空間、ショッピングモール、遊園地などに向けて日米両国で販売を拡大していく予定です。
INCJはWHILLに対して、今後の開発及び事業推進に必要な資金を提供するとともに、社外取締役の派遣、事業開発体制の強化、日本企業との戦略的な提携支援などの経営サポートを行います。INCJは本投資を通じて、全ての方々が快適でスマートな移動手段を持つ社会の実現に貢献するとともに、日本発の技術のグローバル展開が新たな起業スタイルの呼び水となるよう支援してまいります。