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2014.06.02

マイクロ波化学株式会社:
マイクロ波による革新的化学プロセスの事業化を行うマイクロ波化学株式会社への出資を決定

 株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 能見公一)は、マイクロ波を用いた革新的化学プロセスの事業化を行うマイクロ波化学株式会社(以下「MWCC」)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長 吉野巌)に対し、今後の事業推進に必要な資金として8億円を上限とする出資を行うことを決定しました。
 また、MWCCに対しては、既存株主である株式会社東京大学エッジキャピタル(UTEC)(本社:東京都文京区、代表取締役社長 郷治友孝)、株式会社ジャフコ(本社:東京都千代田区、取締役社長 豊貴伸一)、日本ベンチャーキャピタル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 奥原主一)それぞれが運用するファンドも出資を行う予定です。

 マイクロ波は電子レンジなどの加熱機器に広く使われていながら、スケールアップの難しさや熱暴走の課題などから化学品の量産プロセスに適用することは難しいとされてきました。MWCCは、マイクロ波を独自のプロセス技術により世界で初めて年産数1,000トンレベルの化学品(脂肪酸ブチルエステル)*の製造へ適用することに成功したユニークなプラットフォーム技術を有する大阪大学発ベンチャーです。この独自の技術により、高温・高圧かつ時間を要する化学反応において大幅なプロセスの簡略化が可能となり、エネルギーコストの削減や従来難しいとされた製品の生産も期待できます。既に、グラフェンや藻類からの効率的な油分抽出や、ポリエステルなどのポリマー合成プロセス、ナノ粒子合成プロセス、ガス反応プロセスなど様々な化学品製造プロセスへ適用できることが明らかになっています。

 MWCCは、このマイクロ波による化学品製造プロセスを食品化学分野へ適用することに着目し、食品業界で強い販売力を有する太陽化学株式会社(以下「太陽化学」)(本社:三重県四日市市、代表取締役社長 山崎長宏)と、将来の共同事業運営の可能性を視野に入れた検討の開始に合意致しました。太陽化学は調理・乾燥・殺菌工程で既にマイクロ波プロセスを適用するなど、マイクロ波技術に関する多くの知見を有しています。この太陽化学の知見とMWCCの知見が融合することで、画期的な食品化学製品が産み出されることが期待されます。

*インキや化粧品などの溶剤として工業的に広く使用されており、MWCCではインキ用溶剤として既に量産採用されている。

 MWCCは、技術ライセンス供与だけでなく、適用製品・分野ごとに戦略的パートナーとジョイントベンチャーによる共同事業運営を企図しています。大企業の技術や営業ネットワークなどのリソースを活用しながら、ベンチャーの画期的なアイデアを具現化する、ベンチャー・大企業双方にとってメリットがあるモデルにより、化学産業におけるプロセスイノベーションの実現を目指します。MWCCは本件に留まらず、化学メーカー各社と業務提携し、共同開発を進めていく予定です。

 INCJは、MWCCに対して、今後の事業推進に必要な資金を供給するとともに、社外取締役の派遣、事業開発体制の強化、さらに本件のような戦略パートナーとの提携支援等の経営サポートを行います。INCJは上記の取り組みを通じ、MWCCが大企業と対等な関係で協業しながら、ユニークなプラットフォーム技術を事業化する素材・化学ベンチャー企業のモデルとなるよう支援してまいります。

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