NEWS ROOM

2014.02.27

株式会社Trigence Semiconductor:
世界初フルデジタルスピーカー実現技術を提供する株式会社Trigence Semiconductorへの出資を決定

 株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 能見公一)は、フルデジタルスピーカーを実現可能にする独自のデジタル処理技術を実装した半導体の開発販売を行う株式会社Trigence Semiconductor(以下「Trigence」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 岡村淳一)に対し、更なる事業展開の加速に必要な成長資金として4.8億円を上限とする出資を行うことを決定しました。
 また、既存株主であるインテル キャピタル(インテルの投資部門)も、Trigenceに対して出資を行います。

 これまでの音響システムは、デジタル録音されたCD等の音源を、一旦アナログ変換装置によりアナログ波に変換し、アンプ装置により波を増幅したうえで、アナログ波でスピーカーコイルを駆動させる仕組みをとっていました。このため、消費電力の削減や省スペースの観点で大きな打開策がなく、音響システム企業にとっても、音質以外の大きな差別化要素を作ることが困難でした。

 こうした環境において、Trigenceでは、世界初のデジタル信号によるスピーカーコイル駆動が可能なデジタル変調技術「Dnote?」を開発しました。Dnote?では、デジタル音源をアナログ波に変換せずに直接スピーカー駆動をさせることが可能です。これによって、音響システムからアナログ変換装置やアンプ装置を無くすことができるため、消費電力の大幅削減、省スペース化に大きく貢献します。

 現在、スマートフォンやタブレット等のモバイル機器で音楽や動画を楽しむ機会は急増しています。同時に、こうした機会で活躍するモバイル機器向けワイヤレススピーカーやヘッドフォン等の市場も急成長しています。当社技術の特徴である低消費電力や省スペース化は、モバイル機器の利用可能時間の長時間化や小型化につながり、スマートフォンやタブレットだけでなく、スピーカーやヘッドフォンの大きな差異化を可能にします。EV/HEV化がすすむ自動車向け音響機器市場でも同様に、Dnote?は、低消費電力や省スペースという大きな差別化が可能な有力ソリューションとして期待されます。

 加えて、Dnote?により、デジタル音源をそのままデジタル出力することが可能なため、高音質のままでの再生が可能となり、昨今成長の兆しがみえるハイレゾ(高音質)音楽配信の対応機器に対しても最適なソリューションになることが期待されます。既に、音響/車載機器メーカーや半導体メーカーなど複数の企業がDnote?を採用、もしくは採用検討を開始しております。

 Trigence はこれまで独立行政法人科学技術振興機構(JST)やインテル キャピタル等の支援を受け、研究開発に注力してきました。INCJ は、Trigence に対し、より小型化や大出力化が可能な新規半導体製品の開発、海外展開のための経営体制強化に必要な資金を供給するとともに、社外取締役の派遣、事業開発体制の強化等の経営サポートを行います。

 INCJ は上記の取り組みを通じて、同社が、日本発の「低消費電力」「高品質」な音響プラットフォームを、グローバルに展開できるよう支援してまいります。

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