代表取締役社長(CEO):能見公一
私たちが日々直面しているマクロ経済環境の変化は、我が国のグローバル経済における今後の立ち位置を左右する強い影響力を持っています。この根源的な変化に対して日本企業が果敢に対応し、その潜在力を発揮しつつ競争力を強化していくには、今までと同じ発想や行動の延長線に解を求めるのではなく、むしろこれまで慣れ親しんできた発想と行動の枠を取り払うことによる新たな付加価値の創造が重要となります。
産業革新機構は、法律に基づき平成21年7月に設立された株式会社であり、日本が持つ産業資源の潜在力を最大限に引き出し、次世代を担う産業のプラットフォームを構築し、日本経済の持続的発展につなげることを使命としています。そのためには、大学の研究室、ベンチャー企業から大企業も含めて、日本企業内に埋もれている技術・アイデアを掘り起こし、事業化を行うことが重要です。また、グローバル競争に対等に伍していく産業・企業を多数創り出すことも、この拡大を続けるグローバル経済のなかでは非常に重要なことです。
このような大胆な産業構造の変革を通した次世代の国富の増大を確実に進めていくには、日本に点在する技術やアイデア・資金・人材を、従来の業種や企業の枠を超えて組み合わせる発想と行動(オープンイノベーション)が必要です。また、そこに私たちのような「触媒機能をもつ投資家」が介在することで、変化の質や速度を上げていくことがより効果的であると考えています。
私たちは、「日本の素晴らしい技術やアイデアを掘り起こして世界に展開することは、世界の企業や人々にとっても有意義である」という日本の潜在力に対する強い信頼感があります。ただし、日本の潜在力を解き放ち、収益を上げ続ける事業モデルを構築する道のりは平坦なものではありません。また、この道のりは企業それぞれの努力のみならず、産業界を始めとする多くの皆様の枠にとらわれない協働をもって初めて実現できるものです。日本経済にとっての正念場はこれからも続きますが、皆様との幅広い連携と協働を通して、我が国の競争力の強化を確実に実現する一助となることを願っております。